ゼロ感情とは

ゼロ感情とは:自分のゼロポイントを見つけ、ブレても戻る自分軸を持つしなやかな生き方

私たちは日々、感情に包まれながら生きています。
嬉しい、楽しい、怒り、不安、焦り、悲しみ、苦痛——どれも人間らしさの一部です。
しかし、その感情に飲み込まれ、自分を見失ってしまう瞬間も少なくありません。

そんな中で、私が長年の探求と実践から生み出したのが「ゼロ感情」という在り方です。


「感情をなくす」ことではない

まず最初に誤解されやすいのですが、「ゼロ感情」とは「感情が無になる状態」ではありません。
感情を否定したり、排除したりするのではなく、感情に呑まれてブレるのではなく、どんな感情が湧いても“戻ってこれる自分の中心”を持つこと

それが「ゼロ感情」です。

喜びも怒りも、時に必要なエネルギーです。
けれど、それらに振り回されて行動がぶれたり、人間関係に影響を及ぼしてしまったら、本末転倒です。

ゼロ感情は、「自分の中にいつでも戻れる静かな軸を持つ」こと。
言い換えるなら、“感情を感じながらも、それに乗っ取られない”在り方です。


「ゼロ」に戻る感覚

私たちは経験によって、思考パターンや感情のクセを身につけてきました。
たとえば、誰かに否定されると「自分はダメなんだ」と感じてしまう。
予定通りにいかないと、焦って不安になる。

これはいわば、条件反射的な感情の習慣です。
ゼロ感情とは、そのパターンを一度“リセット”し、「今ここ」にただ存在する感覚に戻ること。

それはまるで、波立った水面がすっと静まり、底が透けて見えるような状態です。
判断も反応も一旦手放し、自分の中心から世界を見る。
この「ゼロに戻る力」は、人生をしなやかに生き抜くための最大の武器となります。


「感じる力」を鍛えることで生まれるゼロ感情

面白いことに、「ゼロ感情」を身につけるためには、感情を抑えるのではなく、むしろ丁寧に“感じる力”を鍛える必要があります。

私自身、かつては感情をコントロールしようと必死でした。
でも、それは逆効果でした。抑え込んだ感情は、形を変えて爆発します。

本当に必要なのは、感情を丁寧に観察し、ただ「ある」と認める力です。
怒りが湧いたら、「あ、怒ってるな」と気づくだけ。
不安が襲ってきたら、「不安が来たな」と迎え入れるだけ。

すると、面白いことに、その感情は「感じ切った瞬間」に静かに消えていきます。
そうして自然と、自分のゼロ地点=中心に戻れるようになるのです。


ゼロ感情がもたらす3つの変化

ゼロ感情を体得すると、人生の質が大きく変わります。
主に、次の3つの変化が現れます。

① 判断しない「静けさ」が生まれる

人や出来事をジャッジせず、あるがままに受け止められるようになります。
すると、人間関係の摩擦が激減し、自分自身へのダメ出しも減ります。

② ブレない選択ができるようになる

感情に揺れず、本当に自分にとって大事なことが見えてきます。
「こうあるべき」ではなく、「私はどう在りたいか」で選択できるようになります。

③ 圧倒的な安心感が手に入る

自分の中に戻れる場所があるという感覚は、何があっても「大丈夫」と感じられる内的な土台になります。
外側がどうであっても、自分の内側には安心の拠点がある——それは何よりの強さです。


最後に:ゼロ感情は誰にでも戻れる場所

ゼロ感情は、特別な才能がいるものではありません。
それは誰にでも本来備わっている「感情のゼロポイント」に戻る力です。

大切なのは、日々の中で少しずつ「今ここ」に戻る練習をすること。
深呼吸する、感情を感じ切る、自分の本音に耳を澄ます——
そうした小さな積み重ねが、あなたの内側に確かな“ゼロ”を育てていきます。

感情に飲まれそうなとき、判断で苦しくなったとき、
どうか思い出してください。

「ゼロ感情」という選択肢が、いつでもあなたの中にあることを。